北欧インテリアの中でも人気のある床柄の1つに、ヘリンボーンが挙げられます。
直角的なV字柄が波打っているように見えるのが印象的で、シャープな見た目・美しさが大きな特徴です。
木の風合いなど自然なテイストが持ち味の北欧インテリア・住宅と、いくつもの木を組み合わせるヘリンボーンとの相性は良いため、よく床の柄に用いられている写真を見かけることでしょう。
ここで基本を振り返っていくと、短くカットした床材をVの字になるように組み合わせて張っていく方法がヘリンボーンと言われる柄の工法です。
日本によく似た柄に「杉綾」があり、こちらも同じく山型の柄を組み合わせています。
なお海水魚のニシンを英語で表した「herring」と骨を意味する「bone」を組み合わせた用語であり、語源はその名の通りニシンの骨に模様が似ているからです。
床の柄に加えて、布地を作る際の柄にも同様の模様が使われたりしています。
他の床材の柄と比べて、高額になってしまう理由は作業の手間です。
木材を所定の長さに切って、そのサイズを揃えながら材料を作っていきます。
V字の形になるように張るため、正確に切らなければ不整合が生じてしまいます。
裁断の作業にかなりの正確性が求められる上に、パーツが多くなりがちであるため作業の手間・時間が増加して料金が跳ね上がるという仕組みです。
加えてヘリンボーン柄に使用する床材は、一般的な木材と比べて流通量が少なく価格が割高です。
加工したり張ったりする手間も、材料費もかかるため高額になりやすいのが理由と言えます。
工期が長くなりがちである点も、人件費を鑑みて高くなる理由の1つと言えるでしょう。
ただし労力と費用を掛ける分、部屋には高級感が出ます。
デザイン性が高い模様が特徴的であり、海外のカフェ・ホテルのような雰囲気が味わえます。
部屋の大きな面積を占める床に高級感があれば、おのずと部屋全体が高級な印象を抱きやすくなるのもメリットです。
独特な柄でありつつも、さまざまなカラーやテイストに馴染みやすいのもその魅力です。
作り方・張り方の面で、他の定番柄と比較してみましょう。
木の床の柄でも特に目にする機会が多いものの1つに、定尺張りが挙げられます。
同じ寸法に加工した板材を、一定間隔にずらして交互に貼り付けていく工法です。
整然とした並びから、規則正しく清潔な印象を持たせることができます。
一方で乱張りは長さが一定ではない板材を、交互に張っていくやり方です。
ナチュラルかつラフな雰囲気が持ち味であり、木材を均等に揃える必要がなくリーズナブルに仕上げられるのが売りです。
こういった定番の張り方は、同じ長さもしくは不揃いな木材を垂直に整列させて交互に見えるように張れば良いです。
しかしヘリンボーン柄の場合は、均等の短めの板材を先述の通りV字になるために正確に張っていく必要があります。
角度は90度で、部屋の端までその直角を崩すことは許されません。
またフレンチ式の場合は木材と木材が接する端の部分を、45度にカットして直角の箇所を増やすのが必須です。
他の様式と比べて用意すべき材料、加工する工数は段違いになります。
さらに斜めに配置するため、少しのズレが生じた場合最終的に合わなくなっていくのも難点です。
1つずつの部材を可能な限り正確にカットして、正確にセットしつつ張っていかなければなりません。
木材のパーツ数が多いため、木目の出来・不出来といったような廃棄場所は、他の工法より減らせるのは利点ではあります。
ただ使用する木材は希少性が高いため、その分価格が上がりやすいのも事実です。
同じ木材であっても、集成材と無垢材で価格が変わってきます。
こういった材のチョイスで、価格を調整しつつ予算に見合った床柄を採用しましょう。