開放感のある広々とした空間での生活に憧れている方は多いかと思いますが、アパートやマンションなどの集合住宅は戸建て住宅と比べると収納スペースが限られます。
特に家族が多いと、モノが生活空間に溢れてしまうケースが少なくありませんが、スペースが限られる狭いアパートやマンションでも工夫次第では部屋を広く見せることは可能です。
部屋を広く見せるインテリア術としてまず挙げられるのは、視線を意識することです。
部屋の入口に立った際に部屋の奥まで見通せる視線の抜けがあると、人間は実際よりも広い空間に感じます。
特に、窓から外が見える状態にすれば、より部屋を広く見せることができるため、できるだけ背が低い家具を選択したり、窓を塞がないような家具の配置にしたりするのがポイントです。
視線の高さは、立っている状態では身長の20cmほど低い高さ、椅子に座った状態では身長の50cmほど低い高さ、脚付きソファに座った状態では70cmほど低い高さが目安なので、170cmほどの身長の方は100cm以下の高さの家具を選択すればソファに座った状態でも部屋の奥まで見通せることになります。
どうしても高い家具を設置する必要がある場合は、部屋の隅や壁際に配置すると良いでしょう。
また、フォーカルポイントを上手く利用するのも部屋を広く見せるコツです。
フォーカルポイントとは、視線が集中する場所のことを指します。
このフォーカルポイントを部屋の奥に作ると、部屋に入った際に視線が自然と部屋の奥に向くので、広さを感じさせることが可能です。
床の見せ方を工夫することも、部屋を広く見せるインテリア術です。
一般的に、家具を設置するスペースは部屋の広さに対して3分の1ほどが理想だと言われていますが、実際にはそれ以上の割合を家具が占めているケースが少なくありません。
多くの家具で占められている部屋は実際よりも狭く見えてしまいますが、家具の配置を工夫して何も置かれていないまとまったスペースを確保することで見た目の広さを改善することができます。
特に、脚付きの家具を採用するとその下の床が見えるようになるため、狭いアパートやマンションでもより広い空間に感じさせることが可能です。
部屋を広く見せる3つ目のコツは、家具の選び方や配置方法を工夫することです。
上記の通り、部屋を広く見せるためには視線を遮らないような家具を選択したり、配置したりする必要がありますが、それ以外もポイントがあります。
例えば、家族が多いためにモノが生活空間に溢れている部屋は狭く感じてしまいますが、収納が付いているソファやテーブルを選んで、モノをきちんと収納すれば部屋は物理的に広くなります。
また、家具選びでは色も意識しましょう。
色には大きく、実際よりも近くにあるように感じる進出色と、実際よりも遠くにあるように感じる後退色の2種類があります。
赤・オレンジ・黄色などの暖色、明度や彩度が高い色は進出色となるため、カーテンや壁、天井などに使うと圧迫感を感じて部屋が狭く見える恐れがあります。
部屋を広く見せるためには、後退色となる青緑・青・青紫などの寒色、明度や彩度が低い色を上手く活用するのがポイントですが、後退色ばかりの部屋は暗い印象となってしまうので注意が必要です。
後退色は、部屋全体ではなくフォーカルポイントや大きな家具などの一部分のみに使うのがポイントで、上手く活用できれば奥行を感じる空間を作ることができます。
さらに、家具選びでは素材を意識することも大切です。
例えば、テーブル選びの際にガラス製を選択すれば、見える床面積が大きくなりますし、フレームのみで構成された棚は視線の抜けを作りやすくなるので、部屋を広く見せる効果が期待できます。